ボクシングWBA世界女子アトム級暫定王座決定戦の前日計量が、19日に都内で行われた。元WBA王者の同級3位宮尾綾香(35=ワタナベ)は46・0キロ、元WBO王者の同級8位池山直(49=フュチュール)は45・3キロと、いずれもリミット46・2キロを下回ってパスした。2人は2年ぶり3度目の対戦で、試合は20日に東京・後楽園ホールでゴングとなる。

当初は宮尾が挑戦予定だったが、王者のケガで暫定王座が設定された。池山とは過去06年以来2戦2敗。16年には池山のV5戦で対戦も、スリップダウンの際に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂し、6回TKO負けした。6月に再起するまで1年半のブランクを作った。「手術をして、つらいリハビリにも耐えたのは、もう1回王者になるため」と返り咲きを期す。

国内で女子が公認後に3敗しているが、2人はすでに引退している。残るのは池山だけで「3人分をリベンジしたい。過去を清算して新たな1歩にしたい」。元気を売り物に、多彩な攻撃で三度目の正直で雪辱を期した。

池山は7月のV7戦で防衛に失敗すると、試合直後には引退宣言していた。翌日には「練習から納得できなかった。自分の中ではやり残したことがあり、このままでは悔しい」と現役続行に変心し、2日後にはジムへ意思を伝えた。オファーがあったのは1カ月前で、復帰戦がいきなり世界戦になった。

連勝している相手だが「前回はケガもあった。より強い気持ちを増してくるはず。しつこさで常に全力で前に出ていくだけ」と、王座奪回で自身が持つ最年長世界王者記録を更新へ気持ちを込めた。