元IBF世界スーパーバンタム級王者小国以載(30=角海老宝石)が、4回TKOで再起戦を飾った。昨年9月の初防衛戦で岩佐亮佑(セレス)に負けて王座陥落以来1年2カ月ぶりの試合で、アレガ・ユニアン(30=インドネシア)と対戦した。4回にアッパーを皮切りに左で3度ダウンを奪うと、レフェリーストップ。4回2分25秒TKO勝ちとなった。

小国は世界王座を陥落すると、すぐに引退を表明した。その後に6年前に痛めた右手首の手術を受けると完治。結婚して子供もできたこともあっての再起だった。2回に右ボディーストレートを打ち込むと、大振り右を返された。右のテストマッチと言えたが、あまり右は使えなかった。

「痛みはないが、頭に当たったらとか、怖さが抜け切れてない。クセで左を返してしまうし」と課題は残った。「メチャクチャ緊張した」と言い、2回までは「距離がつかめなかった」という。「判定でよかったが、4回までできてよかった。リングの感覚はつかめた」と笑みもみせた。手応えは十分で、来年4月には世界ランカー戦を希望した。

リング上での勝利者インタビューでは、敬礼しながら「恥ずかしながら帰って参りました」と答えた。グアム島の残留日本兵だった横井庄一さんにあやかったが「横田」と間違って説明した。得意のパフォーマンスは空回りに「最悪や」と苦笑しきりだった。