ボクシングWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25)の弟で、WBC世界同級5位の拓真(22=ともに大橋)が父真吾トレーナー(47)による特製雑炊で最強ボディーに仕上げる。

30日に東京・大田区総合体育館で控える同級2位タサーナ・サラパット(25=タイ)との同級暫定王座決定戦に備え、21日には横浜市の大橋ジムで練習を公開した。20日から「真吾スペシャル雑炊」と命名された減量メニューで胃袋を満たしているという井上拓は「めちゃくちゃおいしい。お店で出せるレベルの味」と感謝。スムーズに減量が進んでいることを明かした。

真吾氏自ら食料品売り場まで足を運び、食材を選択。ちんげん菜、しいたけ、にんじん、大根など10種類以上の野菜に加え、大橋秀行会長に取り寄せてもらったスッポン肉入りスープ、鶏肉、卵の卵黄、ニンニクも入れ、しょうゆと塩で味付けしている。昼、夜とキッチンに立って減量メニューを料理する同氏は「いつもタク(井上拓)に味はどうかを確認している」と本人の味覚に合わせ、微調整しながら雑炊の完成度を上げている。

この「雑炊効果」もあり、既に体重もリミットまで残り3キロを切っている。20日に計110ラウンドで打ち上げたスパーリングでは、当初4回を計画していたものの「調子が良かったので」(井上拓)と異例の6回まで延長するなど、減量しながらでも体力をキープできている。日本2例目の兄弟世界王者に向け「(真吾氏に)ナオ(尚弥)だけではなく、自分もチャンピオンにさせないとダメだと言われてきた。父の夢でもあるし、家族のために勝ちたいです」との意気込みを示した。

そろいのTシャツはWBCベルトに合わせて緑色に統一され、胸には英語で「ファーストインパクト」と刻まれている。世界戦が米国でも生中継されることが決まっており「海外の人たちにも注目される試合がしたい」とインパクトを残す意欲は十分にある。

約2年前、世界初挑戦の発表会見当日夜のスパーリングで右拳を負傷した。手の甲と手首をつなぐ関節を脱臼し、手術を受けた。1度は世界戦中止の“悪夢”を見たものの「この2年でベテラン選手とも戦い、良い経験させてもらった。体もバンタム級になった。2年前よりも勝つ自信がある」と強調した井上拓は「12月30日、しっかり世界王者になります」と力強く宣言していた。