前WBO世界フライ級王者の木村翔(30=青木)が19日、都内で会見を開き、現役続行を表明した。昨年9月の2度目の防衛戦で田中恒成(23=畑中)に判定で敗れ、王座陥落。2カ月ぐらい「遊びほうけて」いたが、ファン、関係者の応援の声に押され、復帰を決意。昨年12月ごろから練習を再開したという。木村は「ファンのためにもう1回熱い試合をしたいと思ったのがきっかけ」と語り「チャンスがあればもう1度ベルトを巻きたい」と王者返り咲きを誓った。

17年7月に五輪2連覇の中国の英雄・鄒市明を敵地で破り、王座を奪取。一躍、中国でも人気ボクサーとなった。その人気も「負けたらおしまいかな」と考えていたが、敗戦後は中国のSNS微博(ウェイボー)を通じ、中国語で「もう1度チャレンジしてくれ」「あきらめないで」とたくさんのメッセージが届いた。さらに12月22日に都内で行われた「ウェイボーアカウントフェスティバル2018」では、日中友好の懸け橋となったことが認められ、「日中スポーツ賞」を受賞した。

すでに中国からいくつか試合のオファーが届いており、木村は3月末に中国で再起戦をするプランがあると明かした。有吉会長は「まずは再起戦で勝たないと。元世界チャンピオンが負ける意味は分かっている」と慎重な姿勢。まず1勝し、それから世界王者への道を探っていく。