王者矢田良太(29=グリーンツダ)が7回1分9秒TKO負けを喫し、3度目の防衛に失敗した。

サウスポーの同級1位永野祐樹(29=帝拳)の左ストレートを何発も食った。3回にはタイミングのいい1発を浴び、しりもちをつくようにダウン。最後は左から細かい連打を浴び、棒立ちとなった試合を止められた。

それでも“ナニワのターミネーター”は見せ場は作った。オーバーハンドで繰り出す大振りの右、力任せの左が随所でヒット。4回には左を食って腰が落ち、ダウン寸前の体勢から、豪快な右で相手をぐらつかせ、ダウンを奪い返した。洗練された永野と対照的に、粗削りで豪快なボクシングで場内をわかせ続けた。

矢田は「左をもらいすぎました。効いた感じはなかったけど(右目が腫れて)見えにくくなって。やっぱり、相手が強かったということです」と潔く完敗を認めた。

苦手のサウスポー対策に、対戦が決まってから1日10時間以上のハードワークで追い込んだ。「もうこれ以上できんぐらい練習をしてきた。世界で1番やった自信があります。それでダメやったんやから、これ以上どうやったら強くなれるんか…。だから、全然悔いはないし、涙も出ません」。今後については「しっかり考えて、嫁さん、会長、応援してくれる人と話し合って決めます」と明言を避けた。