世界3階級覇者のWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)に挑む同級1位ジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)が20日、名古屋市内の畑中ジムで練習を公開。取材に応じて、副業を「カジノのディーラー」と明かした。

ゴンサレスによるとキャリア3年、ゲームはブラックジャックとポーカー専門。プレーヤーとして勝ったことをきっかけに始めたと言い「メインはもちろんボクシングだが、自分には7歳の娘がいる。リタイアした後の人生を考えてやっている」と説明した。

夜通しディーラーをした後に睡眠をとり、その後トレーニングをする日々を送っている。関係者によると、時差マイナス13時間のプエルトリコから、17日に来日したが“夜型”のおかげで時差ぼけは全くないという。

タイトル奪取には自信満々だ。「この12週間、完璧なトレーニングをこなしてきたので、日本でやるのは体重調整だけ」。記者から「あなたの持ち味はスピードだが、田中はさらに上のスピードで試合をコントロールしてKOすると言っている」と聞くと、拍手しながら「スポーツは何が起こるかわからないけど、KOするという人ほどうまくいかないもの。当然、私が勝つ」と笑い飛ばした。

公開練習では縄跳び、シャドーボクシング、父でトレーナーのルイス氏(57)相手のミット打ちなどを行った。内容は時に鼻歌まじり、見守った田中陣営の畑中清詞会長(52)に話し掛けるなど明るく軽めだったが、みっちり汗をかいた。

視察した田中の父斉(ひとし)トレーナー(52)は「中南米特有の明るさがあるね。ディーラーやから、インテリジェンスや駆け引きにたけてると言いたいみたいやけど…。危険な点は、ああいうタイプは調子に乗らせたらあかんということぐらい。恒成が劣ってるとこは、ひとつもないな」と話していた。