13年東日本新人王の草野慎悟(26=三迫)が、逆転TKOで準決勝に進出した。WBOグレーターチャイナ同級王者マ・シャン(23=中国)との対戦で、初回に2度ダウンを喫した。5回にダウンを奪い返し、さらに連打を浴びせてレフェリーストップとなり、5回2分42秒TKO勝ちした。

横井トレーナーは「はじめの一歩みたいな試合」と笑った。初回に2度ダウンしたが「そんなに効いてはいなかった」。2回には左ストレートで腰を落とさせた。反撃開始も3回にまた攻め込まれる。横井トレーナーにインターバルで「勝ちたくないのか」と、ビンタでカツを入れられた。

5回にはついに左フックでダウンを奪う。立ち上がってきたがコーナーに追い詰めて、鮮やか逆転勝ちとなった。「足を使って、コンパクトにいくつもりだった。付き合ってしまった。大振りで、すぐにケンカになっちゃう悪い癖が出た」。薄氷とも言える勝利に苦笑いしきりだった。

ヨネクラジムが閉鎖したため、横井トレーナーについて三迫ジムに移籍した。ところが連敗を喫し、1度は引退した。「まだ応援してくれる人がいたので」と復帰したが、再起戦も負けていた。移籍初勝利に「会長やみんなのおかげです」と頭を下げた。

来年2月27日の準決勝では、韓国KMB同級王者イ・ジェウ(26=韓国)との対戦と決まった。日本同級6位溜田剛士(26=大橋)を3回1分19秒TKOで下している。3回に左フックでダウンさせ、連打でストップ勝ち。溜田も元ヨネクラジムで同門だった。草野は「溜田に勝つんだから相当強い。今日のでは通用しない。ポイントで勝つような試合をしたい」と話した。

メインでは日本同級5位渡部大介(28=ワタナベ)が、引き分けも優勢勝ちした。プロ4連勝の日本同級17位竹嶋宏心(24=松田)と対戦し、2回に左フックで右まぶたをカットさせた。4回にはバッティングで左目上もカットし、ドクターストップとなった。4回58秒負傷判定はジャッジは三者三様で引き分け。38-38と採点したジャッジが渡部優勢として勝ち上がった。

道都大出身の渡部は拓大だった竹嶋でアマ時代負けていた。「パンチが当たり始めたところで、試合が止まっちゃって。すいません。首の皮1枚ですね」。準決勝の相手は、シードの元WBOアジア太平洋同級王者リチャード・プミクピック(29=フィリピン)となる。「距離もかみ合うと思う。来週には練習再開して、悪い癖を直したい」と先を見た。

決勝は5月に墨田区総合体育館で予定されている。優勝賞金100万円に加え、副賞として漫画「はじめの一歩」に登場する権利が贈られる。