日本選手で初めて世界3階級制覇を遂げた亀田興毅氏(34)が大阪市内に開設したジム「3150(サイコー)ファイトクラブ」のジム開きが1日、行われた。会見した興毅会長は「ボクシング業界の人気が低迷している中で、何かできないかと思っていた。関西のボクシング界を盛り上げていきたい」と意気込んだ。

「世界一のプロモーターになりたい」と目標を掲げ、革命的な興行形態に挑戦。「ボクシングの地位を向上させていきたい。子どもたちがあこがれる職業になる。一番は稼げること。夢がある業界を作りたい」と言う。既存のテレビ局と提携した興行に頼らず、YouTubeなど、新たな発信源を駆使して「稼げる」業界を目指す。

亀田3兄弟でただ1人の現役、元WBO世界バンタム級王者、元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者の弟和毅(29)が、現状では唯一の所属プロ選手となる。興毅会長は「何回か(前哨戦を)たたいて世界タイトル戦を実現させたい」と語った。「キャラがある選手を育てたい。この選手を見たい、と。どれだけ人気を出せるか、やから」。現役時代、さまざまな仕掛けで人気者に上り詰めた。その会長らしいプロデュース力で、新たな可能性を切り開く。【実藤健一】

◆ボクシング選手の現状 ファイトマネーだけで食べられる選手は、ほんのひと握りしかいない。主となる収入源は試合の入場収入。かつては世界王者でさえチケットを渡され、売った料金の何割かがファイトマネーとなっていた。テレビの地上波で中継されるボクサーは、その契約料が入る。米国では有料放送が主な収入源。メイウェザーなどは1試合で数十億を稼ぐ。