挑戦者の同級1位亀田和毅(33=TMK)が判定0ー2で敗れ、3階級制覇はならなかった。
王者アンジェロ・レオ(31=米国)とはかつてスパーリングで拳を交えた“盟友”だった。しかし、当時フェザー級で最強と言われたロペスをKOで仕留め、一気に評価を上げた。中継するABEMAが視聴者に実施した勝敗予想でも3-7で和毅が不利とされた。しかし和毅は「予想はみんなできますからね。何を言われようがやることは同じですから」と言い放ったが現実は厳しかった。
19年7月、WBC世界スーパーバンタム級暫定王者のベルトを失った。約6年。3階級制覇のチャンスを待ち望みながら、階級の世界の壁は分厚かった。兄の興毅氏(38)がプロモーターとしてマッチメークに奔走してようやく実現。両者へのファイトマネーは推定100万ドル(約1億4500万円)と興毅氏も大勝負を打った。しかも念願の大阪での世界戦。周囲の支えに応えたかったが、王者の力が上回った。
23年12月、世界ランク2位をかけた一戦でドラミニに判定負けした。その試合後、「おやじ、頼むわ」と史郎氏を頼った。史郎氏は「息子に救いを求められたら全力でサポートするしかないやろ」。和毅が失っていた「攻撃性」の再生を掲げて指導に取り組んだ。被弾を恐れず、距離を詰めてとにかく打つ。そのための基礎トレーニングも重ね、33歳にしてさらに進化を遂げたが及ばなかった。
「亀田家最終章」と銘打たれた試合。前回、昨年8月のドラミニとの再戦では「負ければ引退」を公言して臨んだが、今回は進退は示唆していない。マッチメークが厳しい階級。今後の道も険しい敗戦となった。
◆ラウンドVTR
1回 ともに右のオーソドックススタイル。レオが左のジャブを突き刺す。亀田も左ジャブをついてジワジワとプレッシャーをかける。中盤は慎重に見合ってパンチの交換はほとんどなし。レオの右ボディーブローが浅く入る。ともに手数少なく有効打なし。ほぼ互角。レオ10-9
2回 レオの左ボディーブローが先制打。亀田は距離をとって様子を見る。遠くから左ジャブを出すがレオには届かず。中盤はレオの左ジャブから右ストレートがボディーに伸びる。亀田のワンツーはレオがしっかりとガード。2分すぎにレオの左ジャブからボディーブローが再びヒット。亀田もジャブを放つもヒットせず。終盤にバッティングでレオが頭を押さえる。レオ10-9
3回 序盤はともにジャブの突き合い。30秒すぎにレオの右が亀田の側頭部にヒット。ボディーブローも決まる。中盤に再びバッティング。レオは積極的に左ジャブを突く。2分すぎにもレオの左ジャブから左ボディーブローが決まる。亀田は手数が少ない。レオ10-9
4回 レオが左ジャブをついて開始からペース握る。亀田も左ボディーブローを返す。中盤もレオが左ジャブを突いてペース握る。残り1分、接近戦で亀田の右の打ちおろしがヒット。レオはボディーブローを返す。終盤はレオが再び左ジャブを突く。ほぼ互角のラウンド。レオ10-9
5回 レオが左ジャブを突きながらサイドに回る。亀田は前に出てプレッシャーをかける。接近戦の打ち合いはほぼ互角。1分すぎに亀田の左ストレートがカウンターで決まる。レオは強引に前に出る。中盤は体をつけてボディーブローの打ち合い。亀田がレフェリーにローブローをアピールも受け入れられず。終盤も亀田はじわじわと前に出てプレッシャーかけてパンチ繰り出す。亀田10-9
6回 開始から左ジャブの突き合い。序盤の打ち合いはほぼ互角も最後にレオのアッパーが決まる。2分すぎに亀田がレオをコーナーにつめてボディー連打をたたき込む。終盤は亀田の細かい連打も有効。亀田10-9
7回 ここまでともに有効なクリーンヒットはほぼなし。20秒すぎに亀田の右フックが決まる。レオも細かい連打で応戦。中盤は亀田が追って、レオが足をつかって左ジャブを突く展開に。接近戦でのボディーブローの応酬はほぼ互角か。終盤はともに決め手を欠く。クリーンヒットなく優劣のつけにくい微妙なラウンド。亀田10-98回 開始直後に亀田が右フックを振るって前に出る。レオが距離をとってかわす。レオは相変わらず左のジャブを多用。時折。亀田の顔面に決まる。亀田も左ジャブを出すもレオには届かず。1分半すぎに亀田の右フックが当たる。1分50秒すぎにレオのボディーブローがヒット。亀田もアッパーを顔面に決める。このラウンドもともに明らかな有効打なし。レオ10-9
9回 亀田が左ジャブを突いて前に出て打ち合いを挑む。レオも下がりながら応戦するが、亀田はかまわずプレッシャーを強める。中盤は亀田のボディーブローがヒット。レオの大振りの右フックが亀田の頭をかすめる。終盤に亀田の左ボディーが再三ヒット。レオの動きが止まる。亀田10-9
10回 開始から頭をつけてボディーの打ち合いも有効打はなし。50秒すぎに亀田の右フックがヒット。中盤は頭をつけ合って、ボディーの打ち合い。亀田がやや打ち勝つ。2分すぎからの接近戦はレオのパンチがより正確か。終盤はレオが左ジャブをついて接近戦を避ける。亀田が手数でやや上回ったか。亀田10-9
11回 開始から亀田が前に出てプレッシャーをかける。レオは左ジャブで突き放そうとする。中盤は頭をつけてボディーの打ち合い。レオがクリンチでレフェリーに注意を受ける。中盤はレオの左ジャブからの連打がヒット。亀田も打ち返すがクリーンヒットはなし。終盤はパンチの精度でレオが勝る。レオ10-9
12回 開始から頭をつけてボディーの打ち合い。レオもジャブを突いて前に出る。中盤はレオが左ジャブをついてサークリング。亀田も連打を繰り出すが有効打にはらなず。1分40秒すぎにレオの右強打がヒット。終了間際に亀田の右ストレートがカウンターでヒット。亀田10-9
※採点はニッカン独自
◆亀田和毅(かめだ・ともき)1991年(平3)7月12日、大阪市西成区で三兄弟の3男として生まれる。北京五輪を目指すもかなわず、16歳で父史郎氏の指示で単身、メキシコへ武者修行。08年11月にプロデビュー。同年12月に日本デビュー戦。13年8月、世界初挑戦でWBO世界バンタム級王座を獲得。14年11月、暫定王者エルナンデスとの王座統一戦に判定勝ち。16年10月に協栄ジムへ移籍。18年11月WBC世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得し2階級制覇も初防衛に失敗。以来の世界戦となった。身長171センチの右ボクサーファイター。戦績は42勝(23KO)5敗。15年10月にメキシコで知り合ったシルセ夫人と結婚。2男を授かった。

