負傷を押して出場した稀勢の里を2秒余りで寄り切った横綱鶴竜(31=井筒)は「こんなやりづらいものはない」と伏し目がちに言った。立ち合いは頭で当たり「当たった瞬間に(相手の)力が抜けていた」。勝負がついた後、相手の腰に手をやり、気遣うようなしぐさを見せた。

 自らもけがと闘いながら横綱を務めてきた。「自分も同じ立場だったら出たかもしれない。悪くなる恐れもあるが、ここまできたら諦めきれない」と思いを代弁した。