日本相撲協会は25日、大相撲名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の新番付を発表し、琴恵光(26=佐渡ケ嶽)が宮崎県出身では戦後3人目となる新入幕昇進を果たした。琴恵光は愛知・一宮市の宿舎で、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)同席のもと新入幕昇進会見を行った。

 14年九州場所で新十両に昇進してから、幕下陥落を何度も経験しながらようやくつかんだ幕内のイス。「うれしいの一言です。本当に良かった。十両に上がった時からの目標でもあったので」と、かみしめるように喜んだ。ただ佐渡ケ嶽親方は「ちょっと遅かったかな」とチクリ。それでも本人は「コツコツ少しずつやっていれば絶対に上がれると思っていた」と、焦る気持ちを抑えて自分を信じて土俵に上がり続けた。

 元十両松恵山の祖父を超えることを目標に掲げた。しかし、これで番付上は超えたことになる。報道陣からどこを超えたいかと問われると「全てにおいてです」と多くは語らなかったが、小学4年の時に亡くなった祖父の背中は、いまだに超えることが出来ない大きな背中に映っている。

 出身の宮崎県にとっては待望の新入幕で、同県の幕内在位力士は85年初場所の栃光以来となる。すでに地元の延岡市をはじめ、多くの知り合いから祝福の連絡を受け取ったといい「自分の持ち味の前に出る相撲で沸かせられるようにしたい」と、土俵の上での恩返しを誓った。