横綱対決は白鵬(33=宮城野)に軍配が上がった。稀勢の里を寄り切って13戦全勝とした。昨年初場所で敗れて以来の対戦で、力の差を見せつけた。14日目に白鵬が大関豪栄道に勝てば、5場所ぶり41度目の優勝と史上初の幕内通算1000勝が決まる。

<白鵬vs稀勢の里名勝負>

◆10年九州場所

東前頭筆頭の稀勢の里と、63連勝中の白鵬が対決。稀勢の里は立ち合いで右から張り手を浴びてもひるまず、突き放しで横綱を慌てさせ、寄り切って大金星。双葉山が持つ69連勝の記録に迫っていた白鵬の夢を打ち砕いた。

◆15年初場所

白鵬は勝てば史上最多33度目の優勝が決まる一番。土俵際で小手投げを食らい、ほぼ同時に倒れた。軍配は白鵬に上がったが物言いが付き、協議の末「両者落ちるのが同時とみて取り直し」。取り直しの一番で勝って優勝を決めたが「子どもが見ても分かる相撲」と審判部を批判。北の湖理事長(元横綱)と伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)から師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を通じて厳重注意を受けた。

◆17年初場所

千秋楽結びの一番で、すでに14日目に初優勝を達成した稀勢の里に対して、白鵬は立ち合い右で張って左を差して一気に土俵際まで寄る厳しい攻めを見せた。しかし土俵際でこらえた稀勢の里が、逆転のすくい投げで白鵬を破る。98年の3代目若乃花以来、日本出身力士19年ぶりの横綱昇進を確実にした。