16場所ぶりに幕内へ戻った、西前頭14枚目の豊ノ島(35=時津風)が2勝目を挙げ、星を五分に戻した。かつて三役など幕内上位で、しのぎを削ってきた西前頭12枚目の嘉風(36=尾車)との「現役最年長カード」。

立ち合いで、いつもの鋭い踏み込みで出る。突いて押してと休まず攻め、気がつけば左、右と得意のもろ差しの体勢。2日連続、土俵際の逆転で敗れていたが、詰めも腰を十分に下ろし万全の体勢で寄り切った。

現役最年長幕内の相手と、同2番目の高齢となった対戦。ともに三賞受賞10回など「同じ時代でやった戦友。グッと来るものがあった」。年齢については「嘉風が上にいて、横綱(白鵬)は1つ下。菊(琴奨菊)が同じ年。それを思うと年は言い訳にならない、みんな元気だから」と発奮材料にもなった。2人合わせて71歳の対決に「(日本相撲協会で)再雇用(70歳まで)も超えて、協会を退職する年ですね」とジョークもまじえて報道陣の笑いを誘った。

前日は、東京の自宅から駆けつけ会場で観戦した沙帆夫人と長女の希歩ちゃんを前に黒星。この日は観戦に来ないと思ったそうだが「花道で『トート』の声が聞こえた。そう自分に言うのは1人しかいない」と、愛娘が夫人とともに花道近くの、さじき席にいることが分かった。「昨日は負けて泣いていたみたい。今日は喜んでくれただろうな」。「オジさんと言われるだろうけど気持ちは若く」と話す35歳は、目を細めて家族に思いをはせていた。