大相撲で岩内町出身の一山本(25=二所ノ関)が地元に明るいニュースを届ける。17日、札幌市で開催された夏巡業に参加。

観客約3600人の前で持ち味の力強い突き押し相撲を披露した。今回は十両に昇進してから初の北海道巡業となった。前日16日の函館から道内を回り「いろんなお客さんに声をかけてもらってうれしい」と笑顔だった。

幕下で参加した昨夏の巡業は、道内の相撲ファンにもまだ名前は知られていなかった。今年はすれ違う人から「北海道出身の一山本だ」と言われ、取組の前後にはサイン攻めにもあった。「顔を覚えてもらっているのかな。ようやくですね」。福島町役場の公務員から角界入りして3年目。地元ファンの声援に感慨深げだった。

部屋には岩内町の知人から特産のメロンやカキが届く。町の広報誌には活躍ぶりが紹介され、入幕も期待されている。「ちょっとでも町の活性化に貢献できれば」。中学卒業と同時に離れた故郷は、その当時から9年間で人口が約2万人減少した。生まれ育った町に相撲で恩返しという思いは強い。新十両の名古屋場所は9勝6敗。「次は2桁勝てるように頑張ります」と声を弾ませた。【西塚祐司】