大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)をかど番で臨む大関貴景勝(24=常盤山)が25日、部屋が東京・台東区橋場から板橋区前野町に移転してから、初めて取材に応じた。真新しい稽古場で、四股やすり足などの基礎運動を約1時間半行い、土俵の中へ。ぶつかり稽古で幕下以下の若い衆相手に、大量の汗を流しながら約10分間胸を出し続けた。

ぶつかり稽古の前には、初場所で負傷した左足首をケアするかのように、左足甲に白色のテーピングを施した。足首の状況に関しては「一生懸命やっていくしかないですよ」と多くは語らず。この日は相撲は取らず「これから調整をしていかないといけない。(ぶつかり稽古を)やらないと足首の状態も上がってこないから」と、ここから徐々に調子を上げていく。

平常心で春場所に臨む。初場所後に部屋が移転して1週間たったが「稽古内容や、やるべきことは変わらない。稽古場は広いし、土俵の外側の部分でも体が動かせるのはいいと思う」と話した。春場所の開催地は大阪から東京に変更。兵庫県出身の貴景勝にとって、準ご当地場所になるはずだった。「大阪は地元に近いからね。早く地方場所が開催されればいいなという思いもあるけど、今のコロナの状況もあるので。東京でやると決まったからには一生懸命やるしかない」とどっしりと構えた。

昨年7月場所以来のかど番となるが「先場所は2度と来ないわけですから。切り替えて一生懸命やるだけです」と言葉に力を込めた。