大関貴景勝(27=常盤山)の3度目の優勝に始まり、霧島と豊昇龍の大関昇進など、今年も大相撲はさまざまな出来事が起きた。今年の全6場所で幕内を務めた、30人の力士を対象とした年末恒例の「第12回日刊スポーツ大相撲大賞」は、そんな陰で生まれた好記録や珍記録を表彰する。
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今年、幕内で最も多く物言いをつけられた「行司泣かせで賞」は、関脇琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)と隆の勝(29=常盤山)だ。ともに7番あり、特に話題を集めたのは11月の九州場所3日目、琴ノ若-明生戦。寄り立てられた琴ノ若は、土俵際で弓なりながらも、肩越しの右上手を離さず明生を裏返した。ともに背中から落ちる微妙な勝負も、行司軍配通りに白星を得た。この決まり手が、幕内では13年ぶりとなる珍手「大逆手(おおさかて)」だった。
琴ノ若は今年2場所で、12日目に7敗目を喫しながら、ともに3連勝締めで勝ち越した。7勝目よりも先に7敗目を喫しながら、逆転で勝ち越した回数としても2度は翔猿、佐田の海と並ぶ今年最多。日々の取組としても場所を通しても、崖っぷちの強さが際立つ。
隆の勝は九州場所で5日間休場し、出場は年間85日だった。実際に取組を行った中での割合としては、90日間皆勤の琴ノ若よりも際どい勝負が多かったといえる。そのうち4番は、相手に軍配が上がっていたが差し違え、または取り直しで白星。「命拾いしたで賞」でもあった。“命拾い”白星が2番目に多かったのは琴ノ若、正代、翔猿、遠藤、御嶽海、王鵬の2番。また軍配を受けた後、取り直しで再び勝つ“1日2勝”は大栄翔ら7人の一番が最多だった。【高田文太】

