日本では、日常の生活の中によくお茶が登場します。ひと昔前は、素焼きの陶器製茶器「汽車土瓶」が駅弁と一緒に駅のホームで販売され、旅を彩る大切なアイテムとなっていました。駅のホームでお茶が販売されたのは1889年(明22)。東海道線が全線開通した頃です。静岡駅で駅弁を売っていた三盛軒(現・東海軒)が信楽焼の陶器で販売したのが最初といわれています。後に鉄道が全国に延伸すると、窯元も益子(栃木)、多治見(岐阜)、信楽(滋賀)、瀬戸(愛知)などに広がっていきました。
汽車土瓶は急須のような形で、フタの上に小さな湯飲みが添えられていました。形もさまざまで、富士山や小田原ちょうちんなど、地方の特色を出した容器も登場しましたが、四角い本体に湯飲み付きが一般的でした。
昭和30年代にはポリ容器が登場しましたが、「お湯を注ぐとポリのにおいがする」と評判が悪く、長続きはしませんでした。その後、缶入りからペットボトルへと、時代とともに変化を遂げてきました。現在はJR中央線小淵沢駅で、株式会社丸政の多治見焼の汽車土瓶が販売されています。
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