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コラム

梅ちゃんねる

◆梅田恵子（うめだ・けいこ）　文化社会部記者。昭和からのテレビおたく、ドラマおたく。毎クールのドラマを勝手な好みで採点する「勝手にドラマ評」も12年目。好きなジャンルはＳＦ、市川森一。同じものばかり食べる偏食、自分も周囲も引く方向オンチ。ギャラクシー賞テレビ部門選奨委員。

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2020年8月5日7時0分

梅沢富美男「えらいことに…」俳句永世名人の胸の内

: TBS系バラエティー番組「プレバト！！」で、俳句永世名人となった梅沢富美男

TBS系人気バラエティー「プレバト！！」（木曜午後7時）俳句コーナーで、番組史上初の永世名人に昇段した俳優梅沢富美男（69）が、句集作りという新たな試練に挑んでいる。目標である傑作句50選まであと30句もあり、「えらいことになった」。俳句デビューから7年、94句目でつかんだ永世名人の座だが、複雑な座り心地に苦笑いしている。

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－5月に永世名人となり、番組のすべての昇段チャレンジをクリアした梅沢さんは、句集作りという新たなステージで奮闘中です。出版には50の傑作句が必要ですが、これまで作った100以上の句の中から夏井いつき先生が合格を出したのはまだ20。今の意気込みは。

梅沢　20句でも7年かかっているのに、無理でしょうよ（笑い）。えらいことになったと。永世名人になっていちばんつらいのは、「富美男のお手本」というコーナーができて、毎週俳句を作る展開になったこと。50選に向けてペースを上げる必要があるとはいえ、大変ですよ。失敗したと思いましたもん。

－夏井先生の査定が「ボツ」になると、作品がシュレッダー行きの演出も話題です。粉々にされて切なくないですか。

梅沢　切なくないですよ。当初は視聴者の方たちから「かわいそうだ」という声もあったみたいだけど、最近はなくなってきた。みんな興奮するのかな（笑い）。逆に、お子さんのファンがすごい増えたの。事務所にも毎日15通くらいファンレターが来て、「おっちゃん頑張れ」って手作りの金メダルくれたり。うれしいねえ。

: TBS系バラエティー番組「プレバト！！」で、俳句永世名人となった梅沢富美男

－プレバト俳句には立ち上げから関わってきましたが、俳句の心得はあったのですか。

梅沢　まったくの素人です。季語も知りませんでしたから。ただ、歌舞伎もそうなんですけど、日本のお芝居のせりふは七五調なので、「何が何して何とやら」みたいなリズムが俳句と通じるところがあるんですよね。でも、せりふの波長で俳句を作ると、文字で見た時に「語順が悪い」と言われたり。日本語って奥が深いなと。

－これまでいちばんしんどかった時期は。

梅沢　2年前に名人10段になって、そこから永世名人になるまでの落ちたり上がったりの時。今までのやり方では通用しなくなって、五七五からちょっと変えて18音にしたりとかあれこれやったらどんどんダメになって、俳句が分からなくなった。役者もそうなんです。ある程度せりふが言えて芝居ができるようになると、必ずこういう関所が現れて、そこを超えるともっといい役者になっていく。僕もそうだったので、気取ったことはやめました。やっぱり基本が大切。

－プレバト俳句といえば、夏井先生との毒舌なやりとりもおもしろさのひとつですよね。

梅沢　毒舌でバシッとポイントを突く夏井先生のセンスは唯一無二のものですよね。正直、僕の実力なんて俳句界全体でいったら中学生くらいなのでどんどん言ってくれて構わないし、僕も年上だから言い返します。バトルやりましょうと（笑い）。夏井先生は「俳句のためならどんな仕事でもする」と言っている。その情熱を見て、僕はそれをみんなが楽しめるものとして伝えられたらいいなと。