政界地獄耳

安倍首相による事実上の終結宣言の呪縛/政界地獄耳

★先月30日、共産党副委員長・市田忠義はツイッターでこう記した。昼のワイドショーでの話だ。「『感染者が広がった中で、すでに決まっていた事でも考え直したらどうか』(恵)。『自粛と言いながら1・7兆も使って旅行に行け、はおかしい』(北川)『政府は国民に気をつけなさいというしか打つ手はない』(田崎)。国がそんな無策であっていいのか。打つ手は一杯ある」と、怒りをにじませた。

★同日、官房長官・菅義偉は会見で「現時点で緊急事態宣言を再び発出し、社会・経済活動を全面的に縮小させる状況にはない」と説明。感染者が若い世代に多く、重症者や死亡者が少ないことから「4月の緊急事態宣言当時とは状況が異なっている」と従来の説明を繰り返した。この政府の無策は5月25日の首相・安倍晋三の会見の呪縛があるのではないか。「わが国では緊急事態を宣言しても罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することはできない。それでもそうした日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた。まさに日本モデルの力を示したと思う。すべての国民のご協力、ここまで根気よく辛抱してくださったみなさまに心より感謝申し上げる」と、事実上の終結宣言を出したからではないか。

★7月17日、東京の新規感染者が293人になった日、前出の高名な政治評論家は「今、いちばん大変なのは旅館と土産物店なんですよ。そりゃ安全なのは、じっとして動かないことでしょうけれど、それじゃ経済まわらないんですよ。とにかくどんどん旅行してもらわないことには。もしかしたら少しは感染するかもしれない。これ(GoTo)、大きな実験なんですよ」と同じ昼の番組で発言した。国民は政府の実験対象ではないし、それを許容する人物に語らせることもおかしい。「従来の状況と異なっている」と官房長官が説明するのは好転しているという意味だろうが、実態は危険が迫っているのではないか。もう政府に直前にバタバタされることに、国民は迷惑している。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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