高市早苗首相は4日の衆院予算委員会で、自身の陣営が昨年の自民党総裁選で他候補を中傷する動画を作成し投稿したとする「週刊文春」報道をめぐり、首相の公設第1秘書と動画を作成したとされる男性との会話の音声が「文春オンライン」で公開されたことを受け、音声が秘書のものか確認するよう質問を受けたが、質問の事前通告内容を見たのはこの日未明だとして確認できていないと主張し、答えなかった。
中道改革連合の伊佐進一議員の質問への答弁。高市首相は、伊佐氏から音声に登場する声が秘書のものか確認してほしいと再三求められたが、「文春オンライン」について「会員制の有料オンラインなんですね」とした上で、これまでの報道内容に不満を示しながら「こちらの言い分はほとんど取り上げないで、私の知らない方の言い分ばかりをセンセーショナルなことを報道してきた、そこの(週刊誌の)有料会員になれということになれば、それはできません」「有料会員になることを拒否します」と、質問のテーマからずれた答弁をするひと幕もあった。
高市首相は、事前通告を確認できなかった理由に関し、2日は台風対応や3日の国会答弁の準備で「ほぼ徹夜をした」と主張。3日は衆参両院の本会議出席に加え、この日の予算委員会の質問準備があったとして、「(その後に)答弁書のチェックや直しをしていて、委員の質問通告を見たのは今朝がた3時半くらいだった」「昨日(事前に)出したと言われても、予算委員会や本会議の対応、その後官邸で秘書官打ち合わせをしており、その後答弁の準備を始めた。非常に遅い時間だった」と述べた。
その上で、公開された音声について「会員制の有料オンラインなんですね。こちらの言い分は関係なく、私の面識のない方の言い分をニュースソースに報じてきたところの有料オンライン会員になろうとは思わなかったし、その方法もなかったので確認ができなかった」とも主張。「有料会員になって音を確認することは、私自身はとてもできなかった」と釈明した。
また、今回の内容の質問の事前通告をめぐり「政務に関する答弁について役所の人がつくれるかと言えば、つくれないですよね。秘書官が代わりに聞いて有料会員になってそれを聴いて文字起こしをして私に伝えろ、という話だったのか。私に聴けと言われても、夜中にそういう内容を知って、有料会員になって聞くというのは、非常に厳しい」と、繰り返し難色を示した。
伊佐氏は「有料だから確認できないというのは、ちょっと総理の発言として…」と苦言を呈し、「本当は事務方が準備しないといけないし、何なら、今、私、持っていますから見て聴いていただきたい」として、休憩を求めるに至ったが、自民党席の議員は一斉に反発。坂本哲志委員長も難色を示し、審議は一時ストップした。高市首相は「有料のサービスに流れていたことについて内容を教えていただけませんか? それに従って答弁します」と応じたが、伊佐氏は「これは本人かどうかが、今回の肝。総理はこれまで、面識がありませんと答弁していた中で、そのうち答弁が『会ったことはない』に変わっている。確かにないかもしれないし、男性もオンラインやSNSで常にやりとりをしたとしているが、オンライン会議はしていたと言っており、今回音声も出てきた。彼(秘書)が本人かどうかを確認してほしい。私は(音声を)持っているので、1回聴いていただくのがいちばん早い。すぐに聴けます」と高市首相に実際に聴くよう求めた。
しかし委員長は「ここでは休憩のしようがない」「中東関係の補正予算の論議をしないといけない」と拒否し、取り扱いは理事会で協議する方針を示した。
伊佐氏は、「2分ほどの動画なので」と昼の休憩中に確認するよう再三高市首相に求めたが、委員長は「理事会でこの問題について協議します」と、高市首相に確認させるか明言しなかった。これに伊佐氏は「事前通告している話を、見るのが遅かったから答えられない、というのがこれから委員会で許されるのかどうかということだ」と、反発。これに高市首相は答弁に立ち、語気を強めながら、週刊誌報道への不満を口にした。
「私を批判する週刊誌報道はたくさんあると聴いておりますよ。事実じゃないものもたくさんあるのも承知している。私は週刊誌を読まないが、親切な人がメールで送ってきてくれたりするものですから、そういったものは知っています。知っていますが、いちいちそんなものに反応するより、公務を優先したいと思って私は働いて参りました」と主張。「通告をしたとおっしゃるが、今まで私に対し間違っていた記事を書いていて、こちらの言い分はほとんど取り上げないで、私の知らない方の言い分ばかりをセンセーショナルなことを報道してきた、そこの(週刊誌の)有料会員になれということになれば、それはできません」と持論を展開。「昨日も今朝までたくさんの答弁書を読み続けましたよ。有料会員になってしか見れないものであったら、例えば、総理秘書官に有料会員になってほしいと言えますか? 国家公務員の役員が政務のことの答弁を書けますか? 私が自分でやらないといけないことなんです。でもそれが物理的にできなかったし、有料会員になってまで、有料会員になることを、私は拒否を致します」と宣言。「私に法的に問題があるならおっしゃってください」と、まくしたてた。
伊佐氏は「有料会員になってくれとか、別に営業でも何でもなく事実を確認してほしいだけです」と応じ、「見てくださいと言っているだけ。それを、忙しいから見れませんというのは」と、苦言が止まらなかった。

