政界地獄耳

西村に責任押しつけ、細田派も分断/政界地獄耳

★言葉足らずの発言や、1日には門松の横にタキシード姿で立つ写真とともに、「新年おめでとうございます。宮中の新年祝賀の儀に参列してまいりました」とネットに投稿。「マスクしろ」と炎上した。言葉が軽く根回しが下手。調子に乗りやすいといえば経済再生相でコロナ担当・西村康稔。最近は首相・菅義偉に代わり、7日には衆院の議院運営委員会に緊急事態宣言の事前報告で答弁。本来首相が国民に説明し、協力を訴える役割を一括して担っている。

★都知事・小池百合子にあしらわれながらも首相の信任が厚いことに、政界では前首相・安倍晋三の側近だと思っていたが、官房長官・加藤勝信が伸び悩む中、目下大売り出し中という評価なのだろうか。自民党中堅議員が言う。「コロナ禍になる前は暇さえあればパーティーばかりやっているイメージ。そつなく動き回り、上昇志向が強い。経産省の先輩にはぺこぺこしていると思っていたが、早くから総裁選に出馬。安倍退陣の総裁選でも構えを見せたが、次はかわいがられている菅に代わる総裁選挙に出馬するのだろうか」と党内の評判がいいわけでもなさそうだ。

★「それにはもうひと裏ある」とは西村が所属する清和会(細田派)の幹部だ。続けて「1月4日に首相に呼ばれた西村は『君が僕の代理だから』と緊急事態宣言発出の国会説明役をまかせるためにおだてられた。西村はすっかり舞い上がり清和会会長・細田博之に相談というよりもっぱら自慢。それを耳にした派閥幹部でポスト菅を狙う党政調会長・下村博文が『貴様ごときをポスト総理にはしないぞ』となって5日の『4月の補選に負けると菅政権にとって大ダメージになる。その後は政局になる可能性もある。補選の時に解散・総選挙もあるかもしれない』という発言につながった。これで緊急事態宣言発出が失敗しても西村のせいにできるし、細田派の分断もできる」。首相はなかなかしたたかだ。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

おすすめ情報PR

社会ニュースランキング