★社会や時代が変わるターニングポイントの時期には、古いものと新しいものがぶつかり合うことがある。だが不変であるべきは国会議員は立法が仕事で法律を作り行政に徹底させる。ところが官僚は自分たちの思うように議員をコントロールし、都合のいい法律を作らせ都合のいい解釈や運用で本法の趣旨や役割を変えようとする。理由は簡単で、さして勉強もせず大臣になりたいだけのイエスマンが増え、言いなりになることで役所の恩恵を受ける議員や、役人に任せておけば万事うまくいくものだと役人に洗脳された議員が増えたからだ。

★自民党も官僚出身が政策畑を、地方議員からのたたき上げが国対や幹事長、総務会長などに配置され、そこに2世議員などがぶら下がる。官僚出身の議員はとにもかくにも即戦力だ。政治の筋読みにも長け、出身省庁と連動して法案もサクサクと作り上げる。今の自民党にはなくてはならない。だがその分、役所の長の方針からは逸脱できず、前例を踏襲する作業は素早いが、新しいものを作らせたり、今までの価値観を超える勇気や覚悟に乏しい。今では本当に少なくなった地方議員経験者は調整能力に長け、野党にも触手を伸ばせる。詳しい政策の中身よりもどうやって法案を通すか考える。世襲議員は選挙に強い。その分、目先のことに動じず夢も語れるが、リアルな政治に立ち向かうと少々ズレている。

★最近、このトライアングルが崩れつつある。1つは党総裁・高市早苗の党全体をまとめる力の乏しさ、派閥は嫌うくせに協調性はない。自分自身でものを進め、途中で知らん顔をして、汗をかいた人たちへのねぎらいというより「そのくらいのことまとめられないと偉くなれないよ」と耳打ちする。そして最近大きな話題となった再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を審査した司法制度調査会と法務部会合同会議は無風の議題のつもりだったものの、弁護士資格を持つ議員と法務省との激しい攻防となり、国民の関心を生んだ。閣議決定後、今度は国会審議に移るが今度は野党議員たちの仕事だ。政治は“今まで通り”とばかりはいかない時代。それを乗り越える知識、胆力、柔軟性が問われている。(K)※敬称略