政界地獄耳

中国への志位抗議文を絶賛するだけの自民/地獄耳

★中国は海警局の職務を「海上の権益保護と法執行の履行」と定めている。その一方で、中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、個人に対して「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取る権利が海警局にあると規定。今月1日、その「海警法」が施行された。また日本の海上保安庁に当たる海警局を軍と一体化させ、第2海軍として武力の強化も行われている。

★沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で9日、機関砲を装備した中国海警局の船2隻が航行しているのが確認されたが、尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは11日連続だ。日本政府は日中関係をおもんぱかり、口調は強いが相変わらずのらりくらりの対応。8日、官房長官・加藤勝信は「誠に遺憾で、断じて容認できるものではない。引き続き尖閣諸島周辺の警戒監視に万全をつくし、中国側に対しては冷静かつ毅然(きぜん)として対応する」と述べると、中国外務省副報道局長・汪文斌は8日の会見で「釣魚島や付属島しょは中国固有の領土だ」と反論した。

★もう少し真剣に問題視するのは米国だ。10日に行われた外相・茂木敏充とアントニー・ブリンケン国務長官との電話会談では長官から日本の領海への中国船の侵入に対する懸念が表明された。そんな中、12日に共産党委員長・志位和夫がこの問題で談話を発表した。「中国政府による海警法施行は国連海洋法条約をはじめとする国際法に違反し、力による現状変更の動きを強める中国の覇権主義的行動をエスカレートさせるものである。日本共産党は強く抗議し、撤回を求める」など3項目にわたり「日本政府は、海警法自体が国際法違反であることを厳しく批判し、その撤回を求める外交的対応を行うべきである」と結んでいる。自民党議員が言う。「素晴らしい抗議文だ。うちは幹事長・二階俊博がいるから何もできない。よくぞ言ってくれたという気持ちだ」。どの組織にもある風景だが、それでいいのか。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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