政界地獄耳

【政界地獄耳】玉木代表のわがままで国民民主党分裂か

★参院選挙後は自公政権にプラスして国民民主党の3党連立は既定の路線となっているが、国民民主党内は混乱しているようだ。同党代表・玉木雄一郎は党内に反発があることを承知で補正予算案に賛成した。補正予算案は一般会計の総額で2兆7009億円。財源は全額、赤字国債の発行でまかなわれる。玉木は「原油価格の高騰対策として補助金の引き上げが盛り込まれた」などを賛成の理由にしているが、国債発行では政策でも知恵でも何でもない。

★首相・岸田文雄も財政健全化をうたうものの「相当な増額」を防衛費増強に充てることを表明している。将来の償還財源を明確にして発行する「つなぎ国債」が検討されているようだが、その先は増税が待ち受ける。国民民主党は予算に賛成したぐらいに思っているかもしれないが、参院選が終われば国民の負担増、消費増税議論がすぐに始まりかねない。玉木をはじめ財政規律派の財務省出身者が幹部に多い同党がこの考えでいいのか。

★党内には連立積極派の玉木や国対委員長・古川元久がいるが選対委員長・岸本周平は自らの和歌山県知事選出馬のために党籍を離脱し議席も返上する。自民党幹部と会食を重ねている幹事長・榛葉賀津也は連立に距離がある発言をし始めている。連合の組織内候補たちは支持する組合の判断次第だが、今、連立に積極姿勢を打ち出せるのは電力と自動車だけだろう。そうなれば党として連立を組むことにならず、数人が自民党入りする程度に収まるか。「連合右派の旧同盟系が抱える議員や候補者が自民党入りしたら組合の立場もなくなるし、来年の統一地方選挙で行き場を失う地方議員も生まれる。この参院選挙でも頭を抱える議員や候補者が困惑している」(連合関係者)。今の雰囲気は玉木のわがままや入閣したい思惑で大混乱が始まっている。国民民主分裂か。(K)※敬称略

政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

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