★最近政治界隈(かいわい)で多用される言葉に「現実的解決」がある。最初に使ったのは前中道改革連合共同幹事長・安住淳が1月19日の同党の綱領発表の時。沖縄県名護市辺野古移設について「政権を担うとなれば、今(移設計画を)ストップするのは現実的ではない」と政府が進め立憲民主党が反対していた辺野古移設を容認する発言をした。公明党の自公政権時代の政策を立憲が丸のみした形なので「現実的解決」というが旧立憲も沖縄の多くの県民も移設反対が「現実的解決」だった。結果中道は大敗したが、いまだ中道代表・小川淳也はこの安住の残した宿題を解けずにいる。一生悩んでいればいい。政治は妥協の産物であり可能性の追求だ。安住論なら自民党と変わらず、沖縄に寄り添えば悩む必要はない。新たな米国とのつき合い方、安保のプランを構築する努力を内外から募ることを含めて与党と別の選択肢を持たない野党に未来は見えない。
★9月13日投開票の沖縄知事選はこの辺野古問題が争点になる。移設反対姿勢を貫く現職知事・玉城デニーは民主党時代からの数少ない野党知事だが、そこに挑む前那覇市副市長・古謝玄太は先月23日の出馬表明で「普天間の危険性除去のための現実的な解決策」とした。しかし県紙でも大きく報じているように米国防総省が昨年9月に米政府監査院に提出した回答書では「辺野古の代替施設では能力が不足するため代替となる『長い滑走路』が選定されるまで普天間飛行場は日本側に返還しない」とされている。そうなれば「現実的解決」とは何かと問いたくなる。
★「現実的解決」とは。スペインは同盟国でありながら米ドナルド・トランプ大統領に反旗を翻す。同国のペドロ・サンチェス首相は下院演説で「国際的なルールに基づく秩序は、都合が良いときだけ持ち出し、そうでないときは破っていいものではない。一貫性こそが国際法の核心だ。ダブルスタンダードは世界を公平にするのではなく、より危険にするだけだ。同盟国であることは無分別に従い卑屈になることではない。たとえ不快であっても真実を伝えることだ」と訴えた。「現実的解決」とは事態を先送りし、現状を追認することではないか。スペインはそこに着手している。(K)※敬称略
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