★党首討論について色々な声が上がっている。20日に昨年11月以来の開催となったが、首相・高市早苗と過去最多の野党6党首との対決は国民民主党代表・玉木雄一郎が12分、中道改革連合代表・小川淳也が10分、チームみらい・安野貴博党首は3分の持ち時間だった。総討論時間45分の中に押し込むのだからそうなるが、討論を見ていた人たちからは「時間が短すぎる」と声が上がった。
★イギリス議会のクエスチョンタイムをまねて1999年7月、自民党と自由党の自自連立時代に自由党党首・小沢一郎が強く望んだもののひとつとして国会審議活性化法を通し、衆参に国家基本政策委員会を設置し、党首討論は生まれた。国会開会中の毎週水曜日の15時から首相と野党党首が国家の基本政策について議論することが目的とされたが、00年2月以降開催されている。公務の都合として討論に難色を示す首相もいて、開催はまちまちだが、時間に関しては衆参の国家基本政策委員長同士の合意で長くすることもでき、過去には80分の時間を割いたこともあった。問題は両院の予算委員会のような質問になりがちで、答弁に言質を求めたり、時事問題をただしたい野党党首の問いが国家のあり方や、進路、方向を示す、または目指すものなどの大局を議論するものではなくなりつつある。
★それは時間が足りないという問題よりも、野党党首にも、答えたり逆質問できる首相側にも言えることで、今回の党首討論の質問のつまらなさ、低次元のやり取り、予算委員会の延長程度の応酬に党首討論自体の在り方を問い直す必要がある。無論時間が長くなれば充実するという考えもあるだろうが、導入当時の与野党党首にはそれなりの迫力や、資料などが役に立たない政治家同士の知の戦いがあった。国家論、憲法論、日米関係など大局観が語られたときも「時間が足りない」という声が出た。今回の野党質問はそのほとんどが陳情ベース。丁々発止というより和気あいあいの緩いものだった。野党が少数過ぎて互角に渡り合えない事情は分かるが、短い懇談のつなぎ合わせの様で、緊張感のかけらもなかった。つまり首相と野党党首の器が小さすぎて、国民が政治のダイナミズムやぶつかったときに生まれるパワーが何もない。この顔ぶれではもう見る必要もない。(K)※敬称略


