★人口約377万人を誇る政令指定都市・横浜市。本年度の総予算規模は4兆700億円に上りウズベキスタンやドミニカ共和国に相当する。21年、同市へのIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致を争点に反対派の期待を背負い、早大大学院理工学研究科を修了し理学博士、九州大学や米国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究センター、14年から横浜市立大学医学部教授や大学院データサイエンス研究科長を歴任した“学者”山中竹春が市長選に出馬。当選して2期目途中での辞任となった。今年1月に市の人事部長(当時)が市長のパワハラを告発。第三者調査委の報告書には「ポンコツ」「人間のクズ」「(国際会議の招致が)できなければ切腹だ」「飛ばすぞ」などの発言が相次いだとある。
★来年は統一地方選挙の年だが、横浜市を頂点に地方自治体の首長、議会、地方公務員の劣化が著しい。横浜は行政が市長を追い込んだ形だが、兵庫県知事のパワハラ問題は長引いている。調査委は元県民局長の告発文書が指摘した16の事実のうち10を事実認定している。昨年は福井県知事にセクハラ告発があり辞職。調査委はセクハラどころか「不同意わいせつ罪」「ストーカー規制法違反」になりかねない事案と指摘。ほかにも学歴詐称、職員とラブホテルに行く市長など広げれば色々ある。福岡県に至っては政界丸ごと浄化が必要そうだ。また首長、議会、自治体職員の公職選挙法違反、政務活動費・公金の不適切使用、架空請求・不正受給、労務問題を含むパワハラ・セクハラ、業者からの接待、特定の事業者への便宜供与や贈収賄、官製談合や個人情報漏洩はいくらでもあるし、発覚していないものも多いだろう。
★なぜこれほど劣化・堕落してしまったのか。政界関係者が言う。「ひとつは総務省が全国の自治体にはびこり、市民や野党議員の調査ではわからない仕組みや方法を編み出したり、総務省出身者が地元の首長として君臨。総務省を後ろ盾に自由度の高い運用を可能にした。横浜のように政治を専門としない人たちが政治に関与することには問題はないが、権力の万能感を感じ役割をはき違える場合。これは政治のプロパーでも同じだが。そして中央の政治の『政治とカネ』のけじめがつかず、いつの間にかうやむやになることから『こちらも甘い汁を』という気持ちが働くのではないか」と指摘する。浄化は遠い夢か。(K)※敬称略


