生成人工知能(AI)によって自身の声を無断で模倣した動画が公開されているとして、人気声優の津田健次郎(54)が、TikTok(ティックトック)の運営会社に動画の削除を求めて東京地裁に提訴していたことが23日分かった。津田の代理人弁護士が取材に明らかにした。生成AIによる声の無断利用を巡る訴訟は初めてとみられる。
津田は「艶のある低音ボイス」や「低く渋みのある声」が特徴とされ、アニメ「呪術廻戦」の七海建人役や、「ゴールデンカムイ」の尾形百之助役などで知られる。
訴状によると、動画を投稿したのは氏名不詳者のアカウント。2024年7月~25年9月、津田さんの声質を模したナレーションを付け、都市伝説やオカルト、雑学をテーマとした動画を188本投稿したとされる。ティックトックには再生回数に応じて金銭が支払われる仕組みがあり、月50万~75万円の収益を上げたとしている。
提訴は25年11月。この時点で投稿者は21万人以上のフォロワーを有し、動画の平均再生回数は147万回に上るという。
訴訟で原告側は、投稿者が津田の声を模したナレーションを使い閲覧者を誘引していることから、著名人らが財産的価値を独占できるパブリシティー権を違法に侵害されたと主張している。
原告側の代理人によると、被告側はナレーションについて「普遍的な男性の声」だとし、話し方も特徴的ではないため、津田の声と類似していないと反論している。
訴訟は現在、非公開の争点整理手続きの段階で、今夏にも第1回口頭弁論が開かれる見通し。(共同)

