緊急地震速報の取り消しを巡り、マグニチュード(M)の過大算定を防ぐため、震源から700キロを超えて離れた観測点のデータを用いない機能が正常に動作していなかったことが17日、気象庁への取材で分かった。震度やMを誤って予測した当初の地点や、実際の震源は遠方にあり、本来であれば緊急地震速報の対象外だった。
緊急地震速報を巡っては、過去にも発表直後に取り消すトラブルが起きている。緊急地震速報は、鉄道事業者などに向けた「予報」と、より強い揺れが予想され、より一般向けの「警報」があり、警報の取り消しは初。ただし、取り消してはいないものの、震度の過大予測に基づいて誤った警報を出したケースはこれまで複数回あるという。
気象庁によると、2020年7月、観測点から遠く離れた東京・伊豆諸島の鳥島近海で発生した地震でMを過大に推定し、関東を中心に予想最大震度5強の緊急地震速報を発表。実際には震度1以上は観測されず、同庁は誤報防止機能を同年9月から導入した。
緊急地震速報は国内の観測点で捉えたデータから全自動で計算、発表する。今回は、まず北海道根室市の観測点から約1900キロ離れたカムチャツカ半島の東の場所を誤って震源と判定し、M9・9と算出。次に観測点から約800キロ離れた千島列島を震源と設定し、算出したM9・9を用いて震度を予測した。
実際の震源は約1200キロ離れていた。遠方になれば、Mなどの算定精度が落ちるという。
気象庁は、誤報防止機能が働いていなかった原因や期間は不明としつつ、システムのパラメーター設定の際に何らかの人為的なミスが生じた可能性があるとしている。
今回の緊急地震速報は16日午後0時40分、北海道から東海地方にかけて最大震度7の地震が起きるとして発表され、同48分に取り消された。(共同)

