★農相・簗和生が更迭されたが政党や選挙への支援の有無を理由に、公的な行政予算の配分をゆがめたかのような発言に強い反発が出た。当然だと今では誰でも思う。元来は地元に予算をつけるのが国会議員の仕事で自慢だった時期がある。簗はそれを逆手に取り、予算を減らすと脅し支持を取り付ける、またはそれを実行して忠誠心を試させた。

★ベテラン議員は言う。「与野党関係なく予算の時は事務所総出で箇所付けに関わる地元に予算がついたことを地元の役所に知らせる。実際違ってもあたかも自分の努力で予算がついたように知らせるのがみそ。ずいぶんやった。簗君の時代にはない作業だが、今でも『地元に予算を誘導する』と言いたがる議員がいるのだろう」。「箇所付け」とは国や自治体の予算(公共事業費や補助金など)が「具体的にどの地域の、どの道路、河川、施設などの個別事業にいくら配分するか」を決定し、ひもづける結果を指す。自治体や業界団体が、予算をもらうために国会議員や官庁へ激しい「陳情」を行い、場合によってはその先頭に国会議員が立つ。いわゆる族議員の跋扈(ばっこ)だ。与党の有力政治家やいわゆる族議員の影響が強く、いったん外された予算が政治力によって復活折衝で予算化されるといったケースがたくさんあった。政治や政治家の影響力を誇示したことで、予算の分配の不透明さが増し、あしき慣習となった。

★現在は予算のつけ方が箇所ではなく地方交付税や一括交付金などで自治体が自由に使える方法に変わり、鉢巻きをした陳情も族議員の暗躍も減ってきた。一方自治体任せにすると、今度は地方議員が出て来て、行政が必要とする老朽化したインフラ整備よりも新しい建物や道路を作りたがる。やはり手柄争いだ。結局予算の争奪戦が議員のエネルギーと権力の象徴になっているところは今も昔も変わらない。(K)※敬称略