東京都の小池百合子知事は16日、20年東京五輪・パラリンピック会場見直しで結論を先送りしていたバレーボール会場について、有明アリーナ(江東区)を新設すると正式に表明した。大会後は民間企業に運営権を売却し、スポーツの聖地とすることにも意欲を示した。

 20年東京五輪後に有明アリーナの運営権を民間に売却する「コンセッション方式」に参加する意向の、日本トップリーグ連携機構とコンサートプロモーターズ協会が、建設費の負担も検討していることが16日、分かった。同機構の川淵三郎会長(80)が都内で日刊スポーツの取材に応じ、明かした。

 スポーツ界の規模を大きくしのぐ音楽イベント事業を手がける同協会を中心に、建設費の拠出を検討している。他にも複数の民間企業が2団体の連携に参加の意思を表明しており「投資しようとする会社が多くて驚いている。額が違う」と語った。この日夕方、川淵氏と同協会の中西健夫会長(ディスクガレージ社長)は都内で会談。年明けにも小池知事と直接話し合う場を設ける方針を固めた。

 スポーツ界と音楽業界は13年の招致成功以前からそれぞれ、大会後の民間運営について東京都や招致委員会などと綿密に連携を取ってきた。そこに小池氏肝いりの都政改革本部が示した会場見直し問題が発生し、横浜アリーナの名前が挙がった9月29日以降、両団体が急接近。川淵氏は「けがの功名だった」と中西氏と面会し、有明アリーナ建設への方策を練った。

 結局、3会場とも元の計画通りに落ち着いた。今回の見直し問題について「小池さんは悪くない。事務局が悪いよ。(都特別顧問の)上山(信一)さんが全く下調べがなってなかった。横浜に周辺用地が足りないことなど、調べないでよく提案したと思う。バレーもバスケも3000人しか入らないと言って、スポーツもろくに知らないで、よく発言したものだ」と断じた。

 小池氏が打ち立てた「有明レガシーエリア計画」について「大変良い。交通手段は将来、いくらでも変えられる。ホテルやレストランもたくさん来れば、東京の(米ニューヨークの)マディソンスクエアガーデンのようになる」と評価した。【田口潤、三須一紀】

 ◆コンセッション方式 国や自治体が公共施設や公共サービスで、所有権を保有したまま事業や運営に関する権利を民間に売却する手法。国や自治体には、売却益が入り運営の経費負担がなくなるメリットがある。民間事業者は、サービスの内容や料金の決定など運営の裁量が広く認められ、独立採算となる。裁量の幅が広がる半面、利用料の高騰などにつながることを懸念する声も出ている。

 ◆日本トップリーグ連携機構 サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、ラグビーなどのボールゲーム9競技を束ねる団体。日本最高峰の13リーグの競技力向上と運営の活性化を目指す。05年に発足した。