政務活動費約690万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元神戸市議の橋本健被告(38)の初公判が21日、神戸地裁(川上宏裁判長)であった。同被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、涙を流した。

検察側は「市議としての倫理観が欠如していた」として、懲役1年6月を求刑し、即日結審。判決は、10月29日に下される。

昨年、女性ボーカルグループ「SPEED」メンバーで自民党の今井絵理子参院議員(35)との不倫疑惑と、不正受給問題が週刊誌の報道により発覚。昨年8月に市議を辞職してからは、公の場に姿を見せていなかった。

検察側は、東京への交通費や飲食費、ゴルフだけでなく、キャバクラやスナック、ガールズバーなどに頻繁に出入りしていたことを指摘。都内では水着姿の店員に接客を受けるような店に通っていたことも明かされた。橋本被告は「キャバクラなど、そんなことに使うべきではないという認識はあった。許されないことではあるが、『まあ、いいだろう』という(甘い)考えがあった」と話した。

起訴状によると、印刷業者名義の架空の領収書を提出するなどして、11~14年度の政務活動費690万円をだまし取ったとされている。同被告は、不正受給分の全額を市に返済。この日の閉廷後は、報道陣の取材を受けることなく、車で走り去った。