東京地裁が5日、私的な投資の損失を日産自動車に付け替えたとして、会社法違反(特別背任)などで起訴された、日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈を認める決定をしたことを受け、東京・小菅の東京拘置所には、午後2時半の段階で約100人の報道陣が集まった。
ゴーン被告は18年11月19日に金融商品取引法違反の疑いで逮捕され、同12月21日には、08年に資産管理会社と新生銀行との間で「スワップ取引」を契約した中、リーマン・ショックの影響で損失が生じ、契約者を日産に変更し約18億5000万円の評価損を付け替えた、特別背任容疑で再逮捕された。
1月8日には東京地裁で勾留理由開示手続きが開かれ、勾留の取り消し手続きを行ったが、同11日には東京地検特捜部が会社法違反に加え、処分保留だった有価証券報告書の役員報酬過少記載容疑についても、金融商品取引法違反容疑で追起訴。それを受けて同日、弁護人が保釈を請求したが認められなかった。同18日にも2度目の保釈を請求したが却下された。
2月13日に、それまで弁護を担当した元東京地検特捜部長の大鶴基成弁護士が辞任し、代わって弘中惇一郎弁護士(73)が弁護人に就任。同弁護士は同28日に3度目の保釈を請求した。その上で4日に会見を開き「事件はほとんど10年以上前の話で、日産も10年前から知っていた。なぜ今、刑事事件として届け出たのか、奇妙に思う」と指摘。「司法取引という形で、日産に害が及ばない前提で協力している。普通のことではないと思う」と見解を述べた。
その上で弘中弁護士は、保釈後にゴーン被告が外部と情報交換できなくなる工夫や、監視カメラの使用を東京地裁に提案したと説明。「そう遠くない時期に保釈になる可能性は十分ある」と自信を口にしていた。その会見翌日に、地裁が保釈を認める決定をした。ゴーン被告に証拠隠滅や逃亡の恐れがないと判断したもので、保釈保証金は10億円。
18年11月19日の逮捕から、勾留は106日を数えるゴーン被告は、早ければ5日中に、東京拘置所から保釈される可能性がある。

