将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が19日、名古屋市で行われた第13回朝日杯オープン戦の本戦トーナメントの1回戦で菅井竜也七段(27)、準々決勝で斎藤慎太郎七段(26)を破り、ベスト4に進出した。

同棋戦では羽生善治九段(49)以来、史上2人目の3連覇へ、あと2勝とした。対局はファンに公開され、大盤解説会と合わせて約370人が詰めかけた。「名古屋で対局する機会はあまりないので、多くの人にみていただき、ありがたかった」。地元ファンの後押しを受けた藤井は2局とも強豪を相手に鋭い攻めで勝利を収めた。午前の菅井との対局では、終盤の攻め合いを制し、午後の斎藤戦では、中盤優位を築き、押し切った。菅井、斎藤には、ともに1勝2敗と負け越していたが「2局とも粘り強く指すことができた」と成長した姿を見せることができた。

一昨年の同棋戦では15歳6カ月の史上最年少で棋戦初優勝。中学生棋士としての棋戦優勝は史上初の快挙だった。昨年は決勝で渡辺明3冠(35)を破り、2連覇を果たした。前年優勝者のため、今回もシード枠として本戦から参加した。朝日杯は持ち時間各40分の早指し棋戦。ホームで難敵2人を倒し、これで朝日杯は16戦全勝。無敵状態だ。

準決勝と決勝は2月11日、東京都千代田区で行われる。準決勝で千田翔太七段(25)と対戦する。「強敵ばかりですが、全力を尽くしたい」。高校生プロが3連覇を狙う。【松浦隆司】