横浜市の崎陽軒が12日、ダイヤモンド・プリンセスに寄付した「シウマイ弁当」4000食が乗客に提供されていなかったことが13日、分かった。一部の乗客によると、崎陽軒の寄付が船側に全く伝わっていなかったことも判明した。

崎陽軒によると、5日朝から自室での待機が続く乗客と日々、船内で苦闘するスタッフを励まし、協力したいとの思いから寄付を決めた。当初は横浜市港湾局に相談したが、英国船籍で通関の必要がある同船の、荷物の積み込みを調整する代理店があり、崎陽軒は同社と交渉。乗客、乗員分3800食、医療スタッフと自衛隊分200食、合計4000食のシウマイ弁当を午前10時に届けることが決まり、指定通り納品した。

ただ昼食、夕食ともにシウマイ弁当は提供されなかった。12日の昼食向けに提供した弁当の消費期限は同日午後4時。1食860円(税込み)の弁当4000食、344万円相当が無駄になった可能性が高い。

ある乗客は「崎陽軒さんが一生懸命やってくださった。残念」と失望し、提供されなかった理由を船に問い合わせた。担当者は「それは我々が知りたい。船に差し入れがあったことは全く伝わってこなかった。私たちも食べたかった」と答えたという。【村上幸将】