唐突に小中高一斉休校要請、追い込まれ土壇場荒療治

新型コロナウイルス感染拡大防止に腐心する安倍晋三首相が、全国の小中高校などに休校要請をする、前例のない方針を唐突に発表した。これまでの対応が後手後手と批判され、国会では首相自身の指導力や発信力が見えないと、野党に指摘された。そんな経緯もあってか、この日は自ら電撃的に発表したが、来月2日から実施となると準備期間はないに等しく、教育現場を混乱させる恐れもある。

集団感染に発展したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」、受けたくても受けられない人が多いウイルス検査。政府基本方針に記したイベント開催判断の是非は、あいまい批判を受け、一夜で更新。打った策は、的確に響いていない。首相は26日、「いちいち発表はしない。パフォーマンスは意味がなく、結果を残す」と強調したが、連日感染者が増え、東京五輪・パラリンピック開催を危ぶむ声も出る中、結果に走るあまり、荒療治とも言える休校要請発表に追い込まれた感もにじむ。重大な政治決断だからこそ根回しをし、自ら国民に詳細を説明すべきだったのではないか。

共働きなどそれぞれの家庭事情も後回し。40代の2児の母は「会社を休むあてはない」と、途方に暮れた。これでは国民の不安は増すばかりだ。【中山知子】