新型コロナウイルス感染拡大で、「静かに」過ごすよう求められているこの年末年始。
外出自粛が広がり、例年のような帰省ラッシュも消えたことで影響を受けた業界の1つである駅弁業界が、苦境をアイデアで乗り切ろうとしている。
「シウマイ弁当」で知られる崎陽軒(横浜市)は、電車の中ではなく自宅で崎陽軒の味を味わえる「おうちで駅弁シリーズ」を展開。「おべんとう冬 帆立ごはん」(税込み630円)の販売を、12月10日から始めた。冷凍便で発送され、電子レンジで簡単調理が可能。全国どこでも定番のシウマイの味が楽しめる。
ほかにも、おうち時間が増えた新生活に合わせてグッズを展開。シウマイ弁当のパッケージをモチーフにした腹巻きや、駅のホームで販売員が立ち売りをしていた頃の、懐かしい法被に見立てたはんてんを商品化した。
同社によると、繁忙期を支える東京駅、羽田空港、新横浜駅の売り上げは、例年の12月に比べて約3割にまで落ち込んだ。しかし、多岐にわたる商売戦略で崎陽軒全体の売り上げとしては約7割まで回復しつつあるという。広報担当者は「コロナ禍でも、あの手この手で頑張っていきます。外出する機会が減ってもぜひ利用していただきたい」と話した。
1903年創業の淡路屋(神戸市)では、コロナ禍で売り上げが前年の半分以下になったが、「飛沫(ひまつ)感染予防シールド付き弁当箱」を使用した「令和の嗜(たしな)み弁当」(税込み1000円)を8月から販売し、人気だという。幕の内弁当で、ふたを開けると左右に立てられるシールドが付いており、組み立てると3方向に壁ができる。駅弁の新しいエチケットの形として、注目されそうだ。【沢田直人】

