衆院選で初めて候補者調整を行い、全体の7割を超す210以上の選挙区で野党共闘を実現した立憲民主党は公示前の110議席を下回ることが確実になった。

開票直後こそ東京8区で新人の吉田晴美氏が石原伸晃元幹事長を破り、当選確実になるなど勢いを見せたが、開票が進むと、東京1区の海江田万里常任顧問、静岡6区の渡辺周幹事長代行、大阪10区の辻元清美副代表、大阪11区の平野博文代表代行・選対委員長ら幹部が相次いで小選挙区で敗れ、重い空気に包まれた。 午後10時過ぎ、報道対応した枝野幸男代表は「自民党が圧倒的に強いといわれていた地域でも接戦に持ち込めている」と評価しつつも「自公政権に対するいら立ちは維新さんに行かれたとみている」と話した。福山哲郎幹事長も、神奈川13区で甘利明幹事長を下した太栄志氏らの名を挙げ、「成果は着実に出ている。10年ぶりに野党が政権にチャレンジすることを踏み出したと思っている」と話したが、表情は晴れなかった。 枝野代表は公示前、政権交代の可能性について「(エンゼルス)大谷翔平の打率くらい」(2割5分7厘)と話していた。選挙戦最終日には「イチロー選手のいいときの打率くらい」(3割7分2厘)と軌道修正したが、枝野氏自身の当確も1日午前0時を過ぎ。政権交代への足掛かりとなる与野党伯仲の政治状況はつくることはできなかった。