2019年9月、山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった小倉美咲さん(9)について、ブログに「募金詐欺」などと書き込み、母親のとも子さん(38)を傷つけ、名誉毀損(きそん)罪に問われた野上幸雄被告(70=静岡県熱海市)の判決公判が17日、千葉地裁(安永健次裁判長)で開かれ、懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)の有罪判決が言い渡された。

主文が後回しになり、最後に「懲役1年6月に処す。4年間、刑の執行を猶予する」と安永裁判長が読み上げると、野上被告は「この判決、納得いかないよ」「冗談じゃないよ、本当に」と傍聴席にもはっきり聞こえる不服の声を上げた。

野上被告は昨年2月から10月ごろにかけて、自身が開設したブログに「仕組まれた誘拐」「かなり組織だってやっている」「人身売買、臓器売買が真相だろう」などと書き込んだ。弁護側は「一般的な感想を述べただけ」と主張したが、検察側証人として出廷したとも子さんは「美咲を探す思いや守るという思いがなければ命を絶っていたくらいつらかった」と訴えていた。