ヒップホップアーティストの裂固(れっこ、24)が6日、冬季北京五輪の男子モーグルで日本勢第1号となる銅メダルを獲得した堀島行真(いくま、24=トヨタ自動車)を“ラップ調”で祝福した。

2人は岐阜・池田中の“同級生”。「オリンピックの銅メダルなのに、なんだか軽い感じになってしまって申し訳ないなあ」と恐縮しながら、日刊スポーツの無理難題に応えて即興で披露した。

久しぶり行真!

銅メダル心からおめでとう!

行真はマジで池田の誇りだぜ!

行く道真っすぐ向き合ってきた結果!

ものにしたプレッシャー!

モノホンのプレーヤー!

感動をありがとう!

そしてお疲れさま!

また飯でも行こう!。

前日5日の夜にテレビから伝わった感動で、今も胸が高鳴っている。「すごすぎて…。ぶれずに競技を貫いてきた結果。僕らに見せていた優しい笑顔の裏側でどれだけ努力したのか。モーグルに人生をかけてやっている、そのギャップはリスペクトしかない」と賛辞を贈った。

自身も高校生年代でラップ界の日本王者となり、現在も音楽で思いを伝える活動を続けている。成人式は堀島が海外遠征で欠席したため、卒業以降は直接会えてはいない。だが先日、ラジオ番組に出演した堀島が、お薦めの曲に裂固の「覚めない夢」を挙げ、曲を流した。「行真も応援してくれているんだなと知った。土俵は違えど、好きなことで評価される場所があるのは同じ。行真にかなり刺激も受けているので、僕も地元や支えてくれる人に音楽で還元出来るよう頑張りたい」。堀島は26年大会の金メダルへ。裂固は岐阜にスタジオを作ったり、世界中にヒップホップを普及させる夢へ、切磋琢磨(せっさたくま)する。

同じクラスになったことはないが、中3時に共通の友人を通じて仲が深まった。「休み時間には8組の僕が、5組だった行真の教室に腕相撲を挑みに行ったりもしました」。スキーだけでなく、校庭でバック宙やバック転をしてしまう運動神経の持ち主に対し、仲間でありながらライバル視。それだけでなく、男女問わずに優しく接し、時にはいじられキャラにもなる姿は憧れでもあった。「腕相撲は利き腕では勝てず、左手だけは勝てるようになった。行真に勝てるようになる目標があって強くなれたのかもしれないけれど、行真は優しいから負けてくれたのかも」と懐かしんだ。

「まずは、お疲れさまと言いたい。また、雲の上の存在になってしまったけれど、食事したり出来る時間があったらうれしいです」。岐阜県への凱旋(がいせん)帰郷、そして再会を心待ちにしている。【鎌田直秀】

◆裂固(れっこ)本名塚田泰斗。1997年(平9)6月24日生まれ、岐阜県揖斐川町出身。16年に「第9回高校生ラップ選手権」優勝を皮切りに、「SCHOOL OF RAP」「SPOTLIGHT」などで優勝。フリースタイルラップバトルシーンの最前線で、バトルブームを生み出す。テレビ朝日系「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスター。年間100本超のライブで支持を集め、SNSのフォロワーは15万人超。デビューEP「AUTOMTICFUN」でCD1500枚完売。シングル「Keep On Runnin‘」はヒップホップチャート1位。これまでのバトル動画はユーーチューブで累計1000万回再生を超えている。人気タレントにラップをレクチャーするテレビ朝日系「フリースタイルティーチャー」にレギュラー出演。独身。