燃料費の高騰などの影響を受け、15日から都内の銭湯の大人の入浴料金が480円から20円上がって500円となった。1975年には100円だったので47年を経て5倍増となった。その状況下、23軒の銭湯(うち5軒休業中)がある台東区では、オープン前の浴場の撮影ツアーが人気となっている。
銭湯の料金は47都道府県それぞれで統制されていて、東京都では6月3日の銭湯の値上げに関する審議会で、近年の物価上昇を鑑みて「銭湯の料金値上げは妥当である」として、全国に先駈けて大人料金が日本初の500円となった。中人(6歳以上12歳未満)200円、小人(6歳未満)100円とそれぞれ20円値上げの新料金となった。
台東区観光課では旅行会社クラブツーリズム(新宿区)と提携して、区内の歴史と文化をテーマとした観光振興を検討し、6月1日から銭湯のバックヤードツアーを7月22、30日と8月19、27日の日帰りで売り出した。
「湯どんぶり栄湯」の営業前の湯張りなどの作業風景、「有馬湯」では浴場壁の猿のペンキ絵(縦3・5メートル、横17メートル)や錦ゴイのタイル絵などを自由に撮影できる。さらに1905年(明38)創業の馬肉をつかったさくらなべ「中江」でのランチを含めて1人1万3000円の値段をつけたところ、15日までに延べ40人以上の参加が出る人気となっている。
台東区浴場組合連合会の浅草橋「弁天湯」北島鉱一会長(63)は「観光課から相談を受けたとき、申し込み者なんかいないよなどと笑っていたんですが、びっくりです。銭湯経営も大変ですが、まずは裏側もご覧いただいて知ってもらうことは大事ですね」と話し「この4回のツアーで終わるのではなく、継続的に実施したい。別の銭湯でもやりたいという声もあるしね」と、活性化に期待している。【寺沢卓】
▼東京の銭湯料金 戦後、銭湯の料金は物価統制令の規定に基づき、各都道府県知事が決定する。東京都の統一料金は、各家庭に風呂がなかった戦後の1948年3月の大人6円からスタート。5年後の53年に15円、71年40円、75年に100円になった。ほぼ毎年じわじわと値上げされており、2000年からの400円が6年続いた。北島会長は「各家庭にお風呂はある。常連さんは銭湯の広い湯船に入ることが日課になっているケースが多い」と話す。

