東京都狛江市の住宅で大塩衣与さん(90)が亡くなった強盗殺人事件で、大塩さんの息子の60代男性が27日、取材に応じ、心境を語った。

男性は19日午後に警視庁からの連絡で事件を知った。帰宅すると、室内が散乱しており、衣与さんは普段利用しない地下1階で血を流して倒れていた。男性によると警察は、衣与さんが室内を強引に連れ回された可能性があるとみて、捜査を進めていたという。男性は「おふくろはかわいそうさ。痛かっただろうし、怖かっただろうし。最後に嫌な思いをした」と辛い胸の内を明かした。

男性は衣与さんについて「おふくろからは愛情をたっぷりもらったんです」と思いを口にした。その上で「(衣与さんは)週に2回はバス停までとことこ歩いて買い物に行く。家の階段も一歩一歩自分の力で上る。そんな90歳はいない。もしかしたら100歳ぐらいまで生きるかなって、みんなで言っていた」と振り返った。

相次ぐ強盗事件で実行役に指示をしていたとみられる「ルフィ」と呼ばれる男が、フィリピンの首都マニラで拘束されているという報道を受け、男性は「俺の気持ちが収まるわけじゃない」と憤りをあらわにした。【沢田直人】