23日に投開票された衆参5つの補欠選挙は24日、結果が出そろい、日本維新の会が勝った衆院和歌山1区以外はすべて自民党が勝利した。4勝1敗、勝率8割を手にした自民党だが、高揚感はほとんどない。野党より経験で勝る「地力(じりき)」の差で勝利につなげたが、僅差の勝利が多く、実態は「薄氷の勝利」。一定の政権批判票が存在する現実を前に、自民党内にあった「早期解散」風への慎重な見方も出ている。

岸田文雄首相はもともとの自民の議席(千葉5区、山口2区、同4区)死守を念頭に「3勝2敗」を最低ラインに設定。数は目標を上回ったが、4勝のうちの3つで、深夜まで当確が出ない展開となった。

特に、参院大分選挙区は異例の大接戦。白坂亜紀氏(56)は19万6122票を獲得したが、敗れた立民の吉田忠智氏(67)の19万5781票とは、わずか341票差。接戦は予想されていたが、関係者によると、ここまでのデッドヒートは想像を超えていたという。衆院千葉5区も英利アルフィヤ氏(34)と2位の差は4943票しかなかった。

保守王国山口でも「異変」が起きた。衆院山口2区では、世襲批判が出た岸信千世氏(31)は6万1369票と、5万5601票の平岡秀夫元法相(69)とわずか5768票差。補選と通常選挙の違いはあるが、21年衆院選で信千世氏の父岸信夫氏が獲得した10万9914票にはほど遠い。今回唯一、午後8時の投票締め切りと同時に当確が出た衆院山口4区でも、吉田真次氏(38)の票数は5万1961票と、前回衆院選で安倍晋三元首相が取った8万448票を約2万8000票、下回った。今回、吉田氏の選挙を支えた安倍氏の後援会は、補選を区切りに解散する予定だ。

補選の結果を受け、岸田首相は「しっかりやり抜けと叱咤(しった)激励をいただいた」と述べたが、勝利の「質」をめぐり、4勝1敗への評価は大きく割れている。【中山知子】