自民党の鶴保庸介・参院予算委員長(58)は8日午後、和歌山市で行われた参院選(20日投開票)和歌山選挙区に立候補している同党候補者の会合であいさつした際に、「運のいいことに能登で地震があった」と発言した。
「2拠点地域居住」の推進の必要性に触れる中での発言だったが、昨年1月の能登半島地震の被災者に対する心ない内容の発言でもあり、自民党関係者の間でも疑問や反発する声が出ている。鶴保氏はその後、発言を撤回する内容のコメントを発表したが、参院選の選挙戦への影響を懸念する指摘も出ている。
関係者によると、鶴保氏の発言は、地震発生後、被災者が住む地域以外でも住民票の写しを取得できるようになったシステムに触れた中での発言だった。政府が進める「2拠点地域居住」の取り組みに言及する中で「運のいいことに能登で地震があったでしょう」と述べ、「金沢にいても輪島の住民票が取れるようになった」「やればできるじゃないか、という話をした」などと、述べたという。
鶴保氏は8日深夜になって「能登地方が被災したことを運よく、などと思った発言ではないことはもちろんだ」とした上で「被災者への配慮が足りず、言葉足らずだった。深く反省し、陳謝の上、撤回する」などとするコメントを出し、発言を撤回した。
和歌山や、鶴保氏が言及した能登がある石川はともに、今回の参院選で、議席獲得に向けて与野党が重視する32ある改選1議席の「1人区」の選挙区。前回2022年、前々回2019年の参院選はともに、自民党が議席を得ている。
党関係者の中からは「地震の被災者にあまりにも失礼な発言だ。撤回ですむのか」と怒りの声も出ている。鶴保氏の演説後、自民党総裁の石破茂首相も同会場を訪れた。
鶴保氏は和歌山選挙区選出の参院議員。今回は非改選で当選5回。今年1月、参院予算委員会委員長に就任した。

