自民党参院議員の鶴保庸介予算委員長(58)は8日、和歌山市で開かれた参院選(20日投開票)の自民候補を応援する会合で演説した際、「運のいいことに能登で地震があった」と発言した。9日、会見し「不適切だった」として謝罪。森山裕幹事長は、厳重注意とした。ただ、地震の被災地への心ない内容の言葉だけに、苦戦も指摘される党内では選挙戦全体への影響を懸念する声も出ている。
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鶴保氏は8日の会合で、地震発生後、被災者が住む地域以外でも住民票の写しが取得可能になるなど、政府が進める「2地域居住」に触れる中で「また運のいいことに、能登で地震があったでしょ?」と発言。「金沢にいても輪島の住民票が取れるようになった」「やりゃあできるじゃないかという話になった。チャンスです」とも述べた。
鶴保氏は同日深夜、「被災者への配慮が足りず、言葉足らずだった」とするコメントを発表し、発言を撤回。9日は和歌山市で記者会見し「運よく、などと思った発言では全くない。例示で出すとしても不適切だった」とした上で、「今回は失言ということで、お許しいただきたい」と、平然と語った。離党や議員辞職は、「現状は考えていない」と語った。党側は厳重注意とし、早期の「火消し」に躍起だ。
被災地は現在も復興への過程にある。被災者に寄り添わない今回の発言には、与野党から、批判だけでなく議員辞職を求める声もある。鶴保氏は沖縄北方担当相だった2016年11月、沖縄県の米軍施設工事への反対派をめぐる差別的発言を、差別とは断じられないとの見解を示し批判されるなど、「発言が軽すぎる」(自民関係者)。別の自民候補の陣営関係者からは「致命的な失言。最悪だ」と怒りの声も聞かれ、今回の問題の収束見通しは立っていない。
和歌山と石川はともに、自民の参院選勝利の鍵を握るとされる、改選1議席の「1人区」の選挙区。また、和歌山選挙区は、自民公認候補と、自民を離党した世耕弘成衆院議員が支援する無所属候補が、ほかの5候補とともに相まみえる保守分裂の激戦区だ。
各社の序盤情勢調査で苦戦も伝えられる自民党。「鶴保ショック」は今後、選挙戦全体にも影響しかねない問題となる可能性もある。

