★今は大地震で安否や復旧が最優先の熊本だが、県紙「熊本日日新聞」22日付のスクープ、「情報収集に『愛国心を利用』陸自情報部隊の元隊員が証言」は陸上自衛隊中央情報隊(朝霞駐屯地)の対外情報部門「現地情報隊」が、市民を対象に、思想信条どころか「愛国心」や「対自衛隊感情」「性的嗜好」や「異性関係」に関する情報を組織的に数千サンプル余り調査・収集していたことを証言や資料も公開し暴露した。陸幕は犯人探しに躍起だろう。

★テレビでは自衛隊の秘密組織「別班」が“国益”と国民の安全のために超法規で世界を駆け巡り大活躍するスパイ防止法礼さんドラマが話題だが、実態は法的根拠に乏しいながら何らかの命令により調査していたのだろう。もし中央情報隊が独自の判断で活動していたのなら、それはそれで大問題で調査対象は政治家や政党職員、公務員、自衛隊を含む治安当局、警察や公安調査庁、国家・地方公務員、在外公館にも及んでいるはずだ。

★これに対して防衛相・小泉進次郎は28日の会見で「隊員が、自らの身分を偽って情報収集を行ったとの事実は確認されていない」を繰り返した。これまで大臣は2度にわたり会見で説明したが「そんな調査はしていない」とは言わず、否定はしない。一方、記者から「別班ないし、これに準じる組織は自衛隊内に存在するか」の問いに「陸上自衛隊の別班といったような組織は、これまで存在しておらず、また現在も存在していません」と答えた。1978年に『しんぶん赤旗』特捜班が連載した自衛隊内の非公式の情報・工作部隊はその後書籍になり『影の軍隊「日本の黒幕」自衛隊秘密グループの巻』に詳しく、既にJCIAは存在していたことになる。ことに金大中事件への関与などが国会でも追及された。13年にも陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」が、冷戦時代から首相や防衛庁長官に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたと共同通信が報じたが小泉答弁と同様だった。防衛相も知らない組織なのだろう。政界関係者が言う。「影の軍隊で存在がばれた自衛隊は、その後も活動を続けているが、防衛省とは切り離し深く潜って活動を続けているのではないか。法律があろうがなかろうが活動は続くだろう」。(K)※敬称略