元航空自衛隊三等空佐で航空ジャーナリスト潮匡人氏が10日、TBS系「ゴゴスマ」(月~金曜午前10時25分)にリモートで生出演。防衛省の発表した会見では「火気管制レーダーの照射」「ロックオン」という言葉は使っていないと話して、中国関係に精通した防衛省の制服組の声もあったと語った。

小泉進次郎防衛相は10日、防衛省内で臨時会見を開き、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射をめぐり、中国軍側が空母「遼寧」での艦載機の発着艦訓練を事前に自衛隊側に通知していたとする音声データを公開したことについて、事前に連絡はあったものの、具体的な内容については「十分でなかった」と明かした。

その上で、「自衛隊のスクランブル発信は、適切かつ必要な活動だ。遼寧が所在した海域周辺は沖縄諸島などがあり、領空保全と国民の生命・財産を守る責務を有する防衛省・自衛隊が、空母から発艦した艦載機に対し、対領空侵犯措置を適切に行うことは、訓練に関する事前通報にかかわらず、当然であります」ときっぱり語った。

さらに「対領空侵犯阻止を実施していた航空自衛隊F15戦闘機が、遼寧の艦載機にレーダーを使用した事実はありません」と述べ、中国側の主張を完全否定した。進次郎氏は「最も重要」とした上で、「問題の本質は、わが方が、対領空侵犯措置を適切に行う中で、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったということだ。中国側に対しては、こうした航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為について、再発防止を引き続き厳重に求めてまいります」と述べた。

その上で「長時間にわたり、レーダー照射を受けるという極めて緊張を強いられる状況において、冷静に任務を遂行した自衛隊のパイロット、支える地上クルーを誇りに思います」と述べ、「防衛省・自衛隊は、引き続きこのようなプロフェッショナリズムを発揮し、冷静かつ毅然(きぜん)と対応して参ります」と訴えた。

潮氏は「中国側もレーダー照射は否定はしていない。探索用のレーダー照射を行ったと認めているわけなんです。ただ、防衛省の会見でも、火気管制レーダーの照射を受けた、ロックオンされたという表現は1回も使っていない。従って中国側の主張と日本側の発表した事実というのは必ずしも矛盾していない」と話した。

そしてこれまでの小泉氏の会見については「きっぱりと自分の言葉ではっきりと姿勢を示されたことは率直に評価をしたい。夜中2時という異例な時間にもかかわらず、事の重大性を踏まえてご判断をされた。会見の中でも火気管制レーダーであるとか、レーダーロックオンと言う言葉を使えなかった事情を抱えているだろう。その事情に精通している現場の制服組からそこまでしなくていいんじゃないかという声もあったのも事実だと思われる」と使う言葉選びをしたと述べた。