ジャーナリストの伊藤詩織さん(36)が監督を務めたドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」(BBD)が12日に日本国内で上映初日を迎え、都内で公開記念舞台あいさつが行われた。

同作は、24年1月の米サンダンス映画祭を皮切りに各国の映画祭で上映され、今年3月には米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門に日本人監督として初めてノミネートされた。一方で、映画の主題となった、伊藤さんが15年4月に元テレビ局員の男性から受けた性的暴行被害の民事裁判の弁護を担当した西廣陽子弁護士らから、ホテルの防犯カメラ映像など許諾がないまま映像、音声が使用されているなど問題点を繰り返し指摘され、日本国内の上映が年末までずれ込んだ。

伊藤さんは「さまざまなお声があり反省することがあった。上映できるのか? という恐怖があった」と口にした。舞台あいさつ前には公式サイトで声明を発表し、防犯カメラ映像はプライバシーと権利保護の観点から編集・加工を施していること、公益通報者にあたる捜査官Aの証言音声も加工をしたなどと説明。「ジャーナリストとしては作っていない。一線を越えて私自身がストーリーテリングしている」とも語った。【村上幸将】