“相棒”の激走にエールを。宝塚記念連覇を果たしたメイショウタバル(牡5、石橋)は、10月4日の凱旋門賞(G1、芝2400メートル、パリロンシャン)で日本調教馬初の頂点を目指す。今回の「ケイバラプソディー~楽しい競馬~」では、原田竣矢記者が太宰啓介騎手(47)を直撃。これまでタバルの追い切りを任せられてきた、もう1人のパートナーに迫った。
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武豊騎手、石橋師、そして先代の松本好雄オーナーから受け継がれた冠名「メイショウ」のメイショウタバル。深い縁でつながった“チームタバル”にとって欠かせないのが調教パートナー太宰騎手の存在だ。
初めて追い切りの手綱を任されたのは、2走前の大阪杯の中間。タバルといえば難しい馬、という認識が太宰騎手にもあったため、調教の依頼を受けた際の本音は「あのイメージが強すぎて嫌だった」。それでも「いちばん最初にまたがった時から、すごい背中をしていましたね」と当時の印象を振り返る。
鞍上とのトレーニングが実を結び、折り合いや口向きなどの課題は少しずつ解消。今春の大阪杯2着、宝塚記念連覇に大きく貢献した。「最初は操縦性の難しさがあったけど、回数を乗るごとに乗りやすくなりました。1本目の追い切りは体がゆがんで走るところがあって、バランスが悪かったんですが、追い切りを1本入れたらすぐに真っすぐになる。僕が乗ってきた中で、なかなかそんな馬はいなかったです」。大阪杯前に2週連続、宝塚記念は3週連続、今回の凱旋門賞への出国前が3週連続とコンタクトを重ねたからこそ、相棒の変化を手に取るように感じてきた。その仕事ぶりには石橋師も「乗ってくれて本当に助かる」と感謝の言葉を口にする。
13歳離れた太宰騎手と石橋師。2人をつなげたのは実は、武豊騎手だという。それはある年に、小倉で親睦会があった時のこと。太宰騎手はこう回想する。
「豊さんと食事に行ったら、石橋さんが来て、長い時間、一緒になったんです。そして翌朝に新幹線で帰ろうと思っていたら、石橋さんから電話がかかってきて。『どこや』と聞かれたので『今、駅です』と伝えたら『ちょっと来い』って言われて。駅のご飯屋さんで5時間ぐらい過ごしました。パワーがすごいなと思いましたね(笑い)。そこからちょくちょく誘ってもらえるようになりました」
今年、太宰騎手は石橋厩舎の管理馬に43回騎乗している(先週終了時点)。レジェンドがつないだ縁により、2人は自然と関係性を深めた。
尊敬する2人の先輩とともに、成長を肌で感じてきたタバルに向けて、太宰騎手は遠く離れた日本からエールを送る。「お世話になっている豊さんと石橋さんとオーナーさんを応援したい気持ちです」。レースには乗らない。だが、同じ船に乗る相棒の思いは必ず力に変わる。



