日本最強のマイラーから世界最強のマイラーへ。BCマイル(G1、芝1600メートル、11月5日=米サンタアニタパーク)にソングライン(牝5、林)が出走する。始動戦の毎日王冠2着後に、放牧先のノーザンファーム天栄(福島県)での出国検疫を経て、現地時間10月24日にサンタアニタパーク競馬場に到着。大一番に向けて調整を進めるマイルG1・3勝馬の完成度やレースに向けた思いを、同馬を管理する林徹調教師(44)が語った。【取材=松田直樹】
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-昨年は喉頭蓋(こうとうがい)の腫れで遠征を断念。2年越しのBCマイル参戦となる。秋の始動戦となった前走毎日王冠2着の評価は
林師 今年の競馬の内容を見ても、ヴィクトリアMより安田記念の方が1段上がっていたのは事実です。どちらかというと、競馬を1回使った方がゲートは出る馬です。休み明けの今年のヴィクトリアMでもゲートは出てくれましたが、去年も今年も安田記念の方が速かったです。そういう意味では、休み明けでどれだけゲートを出られるかというのはポイントでした。前走のスタート、良かったですよね。中間はうちのスタッフも、戸崎騎手もすごくいい、と評価していました。休み明けの中でもすごく気持ちが乗っている、と。
-毎日王冠を終え、出国した10月24日までの調整過程は
林師 10月11日の朝に軽くトレセンで乗ってから、ノーザンファーム天栄さんに移動しました。出国までに計5回、ノーザンファーム天栄さんで馬を見ました。13日にはすでに坂路を上がっていて、14日には1ハロン14、15秒程度の時計を出していました。13日の時点ですごくいい意味で競馬を使った上積み、ピリッとした部分を感じました。フィジカルの部分では大きなダメージは感じられませんでしたね。出国前日でも坂路を上がっていましたが、いい動きでした。牧場さんで中間もまたすごくいい調整をしてくださって、おかげさまでいい状態で出国できました。
-5歳秋。キャリアとしては円熟期に入った
林師 馬がどっしりしてきました。今年のヴィクトリアMの前は、記者会見で「祈るような気持ち」という表現をしたと思いますが、当時はやれることは全てやって、いい状態ではあったと思っていました。ですが、調教の動きは4歳のときの方が素軽かったという評価を記者の方から受けていました。昨年の安田記念の前は(最終追い切りに騎乗した)池添騎手が「舌鼓しただけで馬が伸びた」と話されていましたし、一番走りが軽かったのはあのときだったと思います。
5歳になってからはどちらかというと、促せば動くけれども、馬なりで引っ張り切りでドーンと加速する追い切りではありません。ですが、乗っている戸崎騎手からは「すごくいい動きだった」と評価していただいていました。乗り手が促せば、走るという感じです。
見た目では促してのラスト11秒前半と、引っ張り切りの11秒前半は記者の方々の評価も違うし、私も見ているだけですので。考え方によってはズブくなったのかな、と思いますし、サウジ(1351ターフスプリント10着)のときは結果が出ませんでした。乗り手の方にしか分からない感覚もあります。戸崎騎手は4歳のときの追い切りには乗っていないので、比較できないためにその部分がどうかというところがありましたから。それを踏まえて、ヴィクトリアMの時は「祈るような気持ち」という表現になりました。
促してしっかり反応してくれる調教で競馬にいって、4歳のときよりさらなるパフォーマンスを発揮できているというのは、馬がオンとオフを使い分けられるようになってきたということなのだと思います。
-より人間と意思疎通を図れるようになってきたということか
林師 若い時は繊細で、それがだんだん大人になってきて、オンオフができてきました。馬が大人になった、1段成長してくれたのかなと思います。
-2年続けてヴィクトリアMから安田記念に参戦。同じ中2週のローテでも、今年は1週前追い切りを1日前倒しするなど、調整には体質強化が感じられた
林師 芯が入ってきたのだと思います。そういった意味でも、負荷はかかりながらも消耗が少なくなったのだと思います。

